スポンサーサイト
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。
濃ゆい客2連発2001・1・9
 ウチの店には『かわいい袋』と呼ばれているお客がおります。
 彼女は推定30代後半から40代の不思議ちゃん系、ウチの娘ッ子の情報によるとおそらく主婦。何と言うのか、浮世ばなれしているというのか電波受けとってるというのか、とにかく余りお付き合いはしたくないタイプのレディでした。
 そんな彼女は、やけに定まらない視線、開いた瞳孔を剥き出しにしてレジにやってきては、何を買ってもとにかく『かわいい袋ないですか』と言うのです。
 最初の方は我々も何かないものかと探したりしたものですが、それが2回3回、4回5回6回7回………と繰り返せばさすがに、嫌気が差すというものです。かわいい袋などというものもそうそうあるものじゃございません。
 そして今日、わたしが冬休みのお正月気分未だ覚めやらぬ混み合った5時頃のレジに入っていると、そろりそろりと音もなく忍び寄ってくるお客様の姿が、視界の端に入って参りました。
 瞬間、げんなりとするわたし。

(…『かわいい袋』だよ……)

 特に害があるというわけではないけれども、無駄に人のエネルギーを奪い去るお客様というものはいらっしゃいます。
 嫌いと聞かれれば嫌いではありませんが、さりとて積極的に受けたいかと訊かれれば断じてノー。断じて否。
 彼女は中古CDをレジに三つ持ってきまして、わたしがそれをレジ打ちすると例の『あのー…何かかわいい袋ありませんかー…』と切り出します。
 わたしは即座に『すいません、丁度かわいい袋切らしてるんですよー』と答えたのですが、彼女はこういう人種に標準装備な人の話を聞かないタイプでありまして、『それであの、かわいい袋ないですか』と同じことを何度も繰り返しておりました。
 って、だから今ないと言うたではありませんか。
 更にはレジ後方の『しまじろう』のビデオを入れるのに使う手提げを指して、『あれ貰えないですかー…』ときたものです。
『すいません、あれは特定の商品専用の手提げなんですよー』と、わたしは当然お断りをさせて頂きました。
 このやりとりだけでも、わたしは相当疲れていたのですが、一旦は引き下がったかと思われました彼女が、何と今度は別の商品を手に再びレジにやってきたのでございました。

 わたしは引きつる顔を何とか笑顔に形作り、平常心平常心と念仏のように唱えながらレジを打ちました。
 しかし、レジを打ち終わったあとで、彼女が今度は『すいません、手提げに入れてください』と言い出したのです。
(ちなみに、手提げなんぞちっとも必要のないような商品)
 それでもさすがに『手提げに入れてください』と言われれば断ることなどできませんので、仕方なくわたしはそれを手提げにいれました。
 まだお年寄りとかが、手に持って歩くのが大変だからと手提げを要求されるのは分かります。しかし、彼女の場合手提げを要求するのは、そのような理由からでないことは明白です。 
 あれだけ『かわいい袋』『かわいい袋』言ってりゃ小学生でもわかるっちゅー話ですよ。
 一体、何故彼女はそこまで『かわいい袋』にこだわらねばならぬのか、また『かわいい袋』をそんなに集めて一体どうしようというのか。
 繰り返し申し上げますと、ウチの娘っ子情報によると主婦。
 コレクション、というのとも微妙に違う得体の知れなさを感じて、どうにも『かわいい袋』がくると、我々はいらんエネルギーを吸い取られてしまうのでありました。

 そして、やっと『かわいい袋』が過ぎ去ったと思ったその時、次にレジに立っていたのはよりにもよって 『Mり』。すっかり油断をしていたところに、逃げる間もなくよりにもよって『Mり』。わたしは泣きたくなりました。
『Mり』とは、ウチの店で最も忌み嫌われる男です。
 きしょい系の上に態度が横柄で更にオタク(悪性※)という、三重苦を抱えたヤツは、レンタルでもゲームでも書籍のレジでも姿を見かけただけで、『ちょっと、Mり来てるよー』『アタシ、レジ受けるのやだ』『悪いけどヤツ来たら、アタシ逃げるから』という会話がひっそりと交される程のベストオブ『イヤな客』です。
 ヤツは『ゲートキーパーズ』を手に、「これの2巻ないか他の店に聞いて」といきなりかまして参りました。そしてえらい横柄に、レジにずずずっと身を乗り出してくるのです。
 ヤツが注文するものは大抵スニーカー文庫か富士見F文庫で、そしてどこでそんな小知恵をつけたものか、他の支店に在庫の照会ができるということを知って、最初からそれを要求してくるのです。いや尋ねるのはいいんですけど、問題なのは尋ね方というか態度というか何というか。
 それでもわたしは耐えながら、一通りの手続きを済ませました。わたしが電話をかけたり何だりするのでレジを通る度に、更に身を乗り出してねっとりとした視線でじっとりとこちらを見つめるのに必死に耐えながらも、一連の作業を何とか終えましたとも。
 そしてヤツが持ってきた本のレジ打ちをしたのですが、こちらが袋に入れようとすると、ヤツはいつもきまって次には『あ、袋いいから。手提げでいいから』『手提げいれて』と言うのでありました。 
 お客様には割と、『で』の用法を間違われている方がいらっしゃいます。
『カバーでいいわ』とか領収書の『ファイル代でいいわ』
(文具代、事務用品代だと丸つけるだけだけど、これだと書かなきゃいけない)とか、『で』いいわ、と言うのは、対象がそれよりも楽であったり低かったりする場合においてのみ使用される言葉ではないかと思われるわけです。

 よりにもよって『かわいい袋』と『Mり』の2連発。
 無論、わたしが裏に行って壁に激しく蹴りをかましたことは
言うまでもありません。

※良性のオタクにつきましては、個人的にもまた職業的にも忌避するところはありません。
スポンサーサイト
コメント
この記事へのコメント
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。